マカオ通信
マカオ通信 2018年06月号

本で旅するマカオ

沈黙 / 遠藤周作

本で旅するマカオ
 遠藤周作氏の史実に基づく代表作。篠田正浩監督の「沈黙/ SILENCE」、マーチン・スコセッシ監督の「沈黙-サイレンス-」として、2度映画化された。長崎のキリシタン弾圧を題材とし、非常に重いが、心に深く残る作品。

 17世紀の島原の乱後、主人公の司祭は、ポルトガル・リスボンから大西洋、インド洋を経てゴアからマカオへ寄港。そして、マカオからキリスト教禁教下の日本の長崎・五島へ渡る。

 主人公のイエスズ会への書簡には、マカオについて「灰褐色の塵芥のような支那人たちの家」が広がり、「我々に故郷を偲ばすのは、町の中心に作られた総督の官邸やポルトガル風の商館と石畳の路」と描かれる。

 また、「雨の澳門」は「海も町もすべて灰色に濡れ」、「泥だらけの道には人影も」なく、「人生を思い、悲しくなります」と書かれる。

 マカオ半島の世界遺産やマカオの街並みを散策する時に、ふと物悲しい気持ちになるのは、こうした歴史が背景にあるからか。

 マカオと日本の関係の足跡は、様々な形でマカオに残されている。聖ヨセフ教会には、日本で布教を広めたフランシスコ・ザビエルの右腕が安置されている。マカオ博物館には、天正遣欧少年使節団がポルトガルから持ち帰った活版印刷機のレプリカが展示されている。

 そして、何よりも聖ポール天主堂跡の地下納骨堂には、キリシタン弾圧で長崎を中心に日本で殉教した人々、追放令によってマカオに逃れて亡くなった人々が埋葬されている。

 折しも、今年5月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」がユネスコから世界遺産への登録勧告を受けた。マカオと長崎は姉妹都市ではないが、世界遺産「マカオ歴史市街地区」と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の関係が深いことは、「沈黙」を読むと実感する。
 
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日本からマカオへの渡航者数
2017年 2018年 対前年比
伸び率(%)
宿泊旅行
者率(%)
1月25,77727,5546.953.3
2月27,05819,921-26.455.7
3月33,15834,1943.151.2
4月20,24021,7727.663.0
5月30,00029,864-0.560.9
6月22,66224,8869.863.8
7月21,332   
8月29,857   
9月30,763   
10月    
11月    
12月    
合計240,847158,1919.8 
6~8月の天気概況
マカオは東京より早く、5月には夏が到来し、9月末まで日中30度を超す暑さが続く。雨量も多く、湿度も80%以上と高くなるので、旅先で体調を崩さないように気をつけたい。晴雨兼用の傘や日焼け止め、サングラス、帽子は必携。こまめな水分補給を心がけて。クーラー対策の上着もあると便利。
夕焼けウォッチングの日没時刻もお忘れなく
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